砂辺が「沖縄でサーフィンを覚える場所」なら、米須海岸(こめすかいがん)は「波を求めて行く場所」です。沖縄本島でいちばん波が安定していて、ほかのポイントがフラットな日でも、ここなら何かしら乗れることが多いです。
サーファーの間では「スーサイド」という通称で知られています。この名前には背景があるので、あとで説明します。
ぼくは沖縄に住んでいて、ここでもサーフィンをします。数あるポイントの中で、個人的にいちばん足が痛いポイントです。この記事では、波が立つ条件、海への入り方、駐車場、そしてこの海岸で大切にしてほしいことをまとめます。
米須海岸(スーサイド)の基本情報
「スーサイド」という名前について

「スーサイド」は、サーファーが昔から使ってきた通称です。正式な地名ではなく、地図や道路標識には載っていません。場所は糸満市の米須海岸です。
この通称は、1945年にここで起きたことと結びついています。沖縄本島の南部は、沖縄戦が終わった場所です。沖縄戦では、軍人と民間人を合わせて20万人以上が亡くなり、その多くがこの南部で命を落としました。
- 魂魄の塔(こんぱくのとう)。 米須にある慰霊塔です。1946年に建てられ、長いあいだ約3万5千人の遺骨が納められていました。
- 平和祈念公園。 車ですぐの場所にあります。「平和の礎(いしじ)」には、国籍や軍人・民間人の区別なく、24万人以上の名前が刻まれています。
- 6月23日は慰霊の日。 沖縄戦が終わった日とされ、県内の役所や学校は休みになります。
つまりここは、サーフポイントであると同時に、祈りの場所でもあります。いまも遺族の方が手を合わせに来ます。通称を口にするときは少しだけ気をつけて、冗談のネタにはしないでください。駐車場や海までの道では、静かに過ごしましょう。
慰霊の日のサーフィン

沖縄戦の終結日とされる慰霊の日(6月23日)は、旧盆と同じように「海に入らないほうがいい」と考える人がいます。いつもどおり入る人もいます。決まりはありません。
ぼくは慰霊の日に、この近くで海に入ったことがあります。弱いオンショアで、空は灰色、海は寂しい感じでした。波を待ちながら、あの時代を生きた人たちのことを考えていました。いま自由にサーフィンができるのは、その人たちのおかげです。
周りの人が「その日は控えてほしい」と思っているなら、その気持ちを大切にしてください。そのときのことは慰霊の日の記事に書いています。
場所とアクセス

米須海岸は、糸満市の南海岸、沖縄本島の南の端の近くにあります。
- 那覇空港から車で約30分。 サーフトリップで最初に寄る人が多いポイントです。
- 中部からは少し遠い。 潮と風を確認してから出かけましょう。
- 景色も最高 石灰岩の崖の下でサーフィンをします。南には外洋しかありません。
波が立つ条件

- うねり:一年を通して何かしらある。 みんながここに来る理由です。
- 風:北風がオフショア。 海岸がほぼ南を向いているためです。沖縄の冬は北風の日が多いので、寒い時期はこの海岸に風が合いやすくなります。
- 潮:満潮の前後2時間。 沖縄のほかのポイントと同じです。目安は那覇のタイドグラフで潮位120cm以上。
- 大きすぎる日もある。 台風や強い低気圧が近づくと、一気にサイズが上がってクローズします。
海への入り方

海に入ること自体は難しくありません。問題はリーフです。
- リーフが鋭くて、ギザギザしている。 足をよくつく初心者はリーフブーツを履いてください。
- ピークは海岸全体に広がっている。 テイクオフできる場所がひとつではないので、混んでいたら人の少ないピークを探しましょう。
- 入る前に、まず見る。 10分は見てください。みんながどこから入り、どこで待ち、どこから上がっているかを確認します。

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流れに注意
大潮の日は、リーフ沿いの流れが速くなります。2021年の旧盆、台風が近づく中でここに入ったことがあります。パドルを止めるたびに大きく流されて、1時間もたずに海から上がりました。
その場にとどまるだけで精一杯なら、それが上がる合図です。
混雑とマナー

スーサイドポイントは有名なポイントで、那覇からいちばん近いメジャーポイントでもあります。波のいい週末は、魚より人の方が多いのではないかと目を疑います。
- 順番を守る。前乗りしない。 ルールはサーフィンのルールとマナー完全ガイドにまとめています。
- あいさつをする。 どこの海でも同じですが、ここでも大事です。
初心者向けのポイントかと聞かれたら、答えは「いいえ」です。波に乗る練習中なら、まずは砂辺のコーナーポイントに行ってください。理由は砂辺(宮城海岸)サーフィンガイドに書いています。
ただし、スーサイドではインサイド側でサーフィンスクールをしていることも多く、ウェットスーツやリーフブーツをしっかり履いていれば、問題なく楽しめます!
駐車場と持ち物

海岸沿いの道路に、車を停められるスペースがあります。
- きれいに停めて、ほかの人の場所を残す。
- 静かにする。 大きな音で音楽を流さないでください。慰霊塔の近くでは特に気をつけましょう。
- シャワーも更衣室もないと思って準備する。 体を流す真水と、着替え用のポンチョか大きなタオルを持って行きます。
- 車のカギを車体に隠さない。 ぼくが信頼しているのは、ダイヤル式の小さなキーボックスです。

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入らないほうがいい日

- 台風が近づいているとき。 あっという間に大きくなります。くわしくは台風スウェルでサーフィンするときの注意点に書きました。
- 干潮のとき。 リーフが浅すぎます。
- 旧盆の3日間。 沖縄では海に入らない人が多い時期です。沖縄のお盆と海の記事で紹介しています。
- 初心者のうち。 まずはしっかり波を観察して、大きな波の日は入らない!
まとめ:波はいつもある。ブーツとマナーと敬意を持って行こう

米須は、ほかのどこにも波がない日に波をくれる場所です。そのかわり、しっかりしたブーツと、マナーと、この場所への敬意が必要です。3つとも持って行ってください。
ほかのポイントは沖縄のメジャーなサーフポイント紹介で、リーフでのケガや危険な生き物は海の危険な生物5選で紹介しています。


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